OG NOW(活躍する同窓生)

Vol.02 末寛子さん

英国を拠点にスペインやフランスなどで50回を超える琴のコンサートを行った、末寛子さん。チャールズ皇太子夫妻の前でも演奏の機会があったとか・・・。

−そのときのことを教えてください。

私の住む英国のウェールズ、カーディフに新しくホスピスがオープンしたのを記念して、お二人が来院されました。私は「さくら」を演奏しました。
 
チャールズ皇太子は、ブルーの目がとてもきれいでした。「この楽器、コトでしょ?きれいな音だね」とおっしゃいました。妻のカミラさんは気さくで、嫌味のないふるまいにびっくりしました。週刊誌のイメージとは全然違うと思いました。

−琴をはじめたきっかけは?

9歳のとき、近所の方が「いいものをみせてあげる」といって琴を弾いてくださいました。なんてきれいで澄んだ音なのだろうと感動したことを鮮明に記憶しています。親に頼んで習い始めましたが、何度も挫折しそうになりました。両親が辛いときに励ましてくれたからこそ、今まで続けてこられたのだと思っています。

−なぜ、音楽療法士の道を?

英和を卒業後、東京藝大音楽学部に進学しました。けれど、高校時代、進路希望には福祉大学ばかり書いたように思います。小学生のとき、自閉症の子と机をならべて勉強した経験から、将来は福祉関係の仕事をしたいと考えるようになりました。長年やってきたことも捨てられず、両方を活かせる仕事はこれではないかと思い、勉強をはじめました。

−英和で学んだことが寛子さんにどのように影響していますか?

英和で学んだ宗教、福祉、海外交流などの経験は、私の今そのものです。特に、死と隣り合わせに生活している方たちと音楽を通して交流しながら、英和の「花の日」の意味は大きいということをつくづく感じています。
 
胸の張り裂けんばかりのつらい苦しみの中にいる人々に、若いエネルギーを注ぐこと。それによって、救われる思いを持つ方々がなんとおおいのだろうと感じます。また、学生にとっても患者さんの気持ちに寄り添い理解しようとする経験は、将来にむけて大事なことだと思います。

−近況と今後の抱負を!

現在は王立ウェールズ音楽大学の大学院音楽療法科に在学し、週に2回、病院と養護学校へ通っています。10人の患者さんを相手にトレーニングをして、「このときの患者さんの気持ちは?」というのが授業のほとんどの内容です。『気持ち』というものを今までじっくり言葉で考えたことがなかったので悪戦苦闘しています。なんとか資格をとって日本に帰り、音楽療法士と琴演奏家として活躍したいです。

※ 同窓通信掲載後、2006年10月にイギリス公認音楽療法士の資格修得をされました。