OG NOW(活躍する同窓生)

Vol.06 源 由理子さん

−以前は、国際協力の現場で実務家として長くご活躍されていたとか?

主に、日本の政府開発援助(ODA)が実施している教育、貧困削減分野の事業計画や、それら事業の成果を測る評価調査に従事してきました。これまで調査のためにアジア、アフリカ地域の十数カ国を訪問しました。

−そこで感じたことは?

まず、援助は一歩間違うと『毒』にもなるということです。援助する側の価値観の押し付けになったり、援助を受ける側の依存状態を増長したりする危険性があるということです。
また、開発途上国と呼ばれる国々の貧困、紛争などの諸問題の要因は、グローバル化が進む現代においては私たちの生活と決して無関係ではなく、国を超えた公共の倫理や利益を考えていかなければならないと感じました。

−世界に目を向けるきっかけは?

英和高校二年の時に交換留学制度でアメリカに一年間滞在したことです。自分が生まれた日本という国を外から客観的に眺めたことで多くのことを考えさせられました。人間は生まれるところ(国や社会)を選ぶことはできない。だからこそ、人間が形成されていく社会構造や価値観、制度や文化を理解しようとする態度が不可欠であるということを学びました。

−今後の抱負は?

現在、明治大学大学院で国際協力論などを担当しています。日本人の学生だけでなく、フィリピン、バングラデシュ、ブータン、カンボディアといった国々の学生も学んでいます。彼らのほとんどが母国の行政官で、貧困を削減するための政策形成について正面から取り組んでいる人たちです。彼らの真摯な態度に接していると、改めて、『経済的に』豊かな日本に住む私たちには何が出来るのか、それらの国々の自主的な取り組みを尊重した支援とはどうあるべきなのかを考えさせられる日々です。今後は現場に役立つ理論的な研究にも精進していきたいと思っています。

源 由理子さんプロフィール


国際基督教大学卒、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード)修了。国際協力事業団(現国際協力機構、JICA)、国際開発高等教育機構(FASID)勤務を経て、現在、明治大学大学院ガバナンス研究科准教授